インタビュー

『ウサギ目社畜科』
漫画家 藤沢カミヤ先生

今月は2017年8月号よりUJ初連載をスタートさせた『ウサギ目社畜科』の藤沢カミヤ先生にインタビュー! ゆるふわブラック労働コメディである本作の連載開始経緯から社畜なウサギ・ふわみの誕生秘話まで語っていただきました!

2019年8月19日(月)

藤沢カミヤ
ふじさわ・かみや/漫画家。『みのりと100人のお嬢様』(『まんがくらぶ』竹書房)、『おとりよせっていいな。』(『本当にあった笑える話スペシャル』ぶんか社刊)連載中。主な作品に『ねこのこはな』(講談社刊)、『なぎさ食堂』(竹書房刊)など。

 

ふわみは話を作る流れで
社畜になってました(笑)

 

ーー連載開始、おめでとうございます! 読切掲載を経て、連載が決まったと聞いたときはどんな気持ちだったのですか?

 

藤沢 アンケート結果にすべてがかかっていたのですが、個人的にはちょっと厳しいだろうと思っていました。連載が決まったときは、ひたすらに読者の皆様に感謝という気持ちでした! 「労働の喜びを最近忘れていて、読んでいてハッとしました」というような感想を下さった方がいて、このウサギは特殊なので無理はしないでくださいねと思いました(笑)。

 

ーー『ウサギ目社畜科』を描こうと思ったきっかけは何ですか?

 

藤沢 『ねこのこはな』(講談社刊)という、ネコが主人公の漫画を描いているときに本作の担当編集さんに声をかけていただいたのですが、何かまた人じゃないものを描きたくて、ネコのつぎはウサギかな? とか、宇宙人かな? とか考えていたところで、月からきた宇宙ウサギにしようと思いました。話を作っていく流れで社畜になってました(笑)。

 

屈託のない笑顔で、社畜なことをさも当たり前のように言い出すふわみ。そんなギャップにグッとくる!

 

ーーふわみの社畜ぶりには、ご自身の経験が反映されていたりするのですか?

 

藤沢 昔、ゲーム会社で働いていて、わりときつい勤務だったので、なんとなく活かされているような気もします(笑)。

 

ーーふわみや、津田真司郎のモデルなどはいるのでしょうか?

 

藤沢 モデルはいないです。2人ともビジュアルはほぼ最初からあまり変化ないのですが、性格や口調、職業などが何度か変わりました。ふわみが地球に婚活に来て無理やり津田の奥さんになろうとするとか、津田がもっと普通に優しかったりとか、色々とボツネタがありました。

 

ーー名前の由来はあるのでしょうか?

 

藤沢 ふわみは、ネームのときに仮に名前をつけようと思ったところで、たまたま居合わせた姉が「ふわみ」と名付けたのがそのまま、という感じです(笑)。津田は、真司郎っていう響きが好きでつけて、苗字はあとでなんとなくつけました。結果的に、とある声優さんとかなり似た名前になってしまったことにあとで気付きました!

 

ーーふわみの可愛さはもちろん、ひと癖ある、愛すべきキャラクターが特徴的です。キャラクターづくりのポイントは?

 

藤沢 かわいそうだけど笑える、みたいなバランスが好きで、いつも小さいキャラクターにはかわいそうな目にあわせてしまいます。でも、かわいそうすぎると見てて楽しくないので、おかしさとのバランスは大事にしたいと思っています。ふわみは、本人が幸せそうなことでバランスをとれたらと思っています。

 

ーー「やとっていただいておかねまでもらえるのですか~!?」などの名言(!?)は、どんなかたちでアイディアが浮かんでくるのですか? また、思いついたけど使わなかったボツネタなどがあったら教えてください。

 

藤沢 名言!? その場その場の思い付きで考えているので、良い反響があれば、また使っていこうと思ったりもしています。考えたけどやらなかったのは、やたらとオチで爆発させたがるのを自重していることです!

 

ーー今後は同じウサギ目や、それ以外の動物たちも登場しますか?

 

藤沢 月のウサギは今後も出てくると思います。いくつか考えているので、楽しみにしていただけると嬉しいです!