
東映アニメーションとバンプレストが初めてタッグを組んだ、アニメーションプロジェクト『京騒戯画』。本作は、京都に似た「鏡都」を舞台に繰り広げられる、「黒兎」を追うさまざまな人々の姿を描いたファンタジー作品。主人公・コトが巻き込まれる人間や妖怪の枠を飛び越えた異世界の騒動は、つながりあう大きな「歴史」の姿を描き出していきます。
バンダイチャンネル、ニコニコ動画、You Tubeでのネット配信による公開前から、キャラクターがフィギュア化されたり、コミカライズ化が発表されるなど、新たなアニメのプロデュースの形を目指している『京騒戯画』。これらの点も見逃せないところですが、ウルトラジャンプは、『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』で20代にして監督デビューを飾った新鋭・松本理恵さんが監督として起用されたことに注目!『京騒戯画』の本編配信直後にして最新の松本理恵監督インタビューを全2回にわたりお届けしますっ!
- UJ
- まずは本編映像の完成、おめでとうございます! 松本監督の、20数分間の漫画映画(アニメ)を存分に楽しませてもらいました。この『京騒戯画』のプロジェクトは、どういう経緯で始まったのですか?
- 松本
- プロデューサーから「バンプレストさんから、女の子を主人公にしたアクションの話を、オリジナル作品で作れないかと来ているんだけど、やってみない?」と言われたところからですね。ちょうど映画『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』が終わった直後にお話を頂いて、他に担当しているものもなかったし、原作つきの作品よりは、やれるならオリジナル作品がやりたいなと思っていたので、願ってもないお話でした。
- UJ
- 「こういうストーリーをやりたい!」という構想は、すぐに決まったのですか?
- 松本
- 制作当初、どういうふうに発表されるかもわからなかったので、どのくらいのボリュームでお話を作ればいいのかわからなかったんです。極端にいえば、音もつくかどうかわからないくらいだったんですね。
とくに第一弾のプロモーションビデオ(以下PV)は、2010年11月にお話をいただいて翌2011年3月には公開するというスケジュールだったので、約4か月程度と時間がほとんどなかったので大変でした。バンプレストさんとコラボしたこともあり、「グッズ展開を考えると、キャラをいっぱい出したほうがいいのかも」という考えもあって……。普通、キャラクターを作るときは、その人生を一人ひとり考えていかなければいけないので、「このキャラは笑って死ぬのか泣いて死ぬのか、そもそも死ぬのか死なないのか」ということまで作り込みたかったのですが、当時の状況ではとてもそこまでできなかったんです。
そんな折の着想の助けになったのがあるグループの曲です。その曲と歌詞の世界観がすごく好きで、自分の持っている価値観と近いものがあったので、 そこをベースに映像を作れば、自分のやりたい作品になるのかなって思いついてからは、手が早かったですね。 - UJ
- たしかに、今回の本編映像も、見ていて曲のPVっぽいなと感じるところがありました。
- 松本
- そう言っていただけると嬉しいですね! プレミアム上映会でお渡ししたパンフレットに「全体の流れで見てもらえたら嬉しいです」と書いたのも、そういう理由からなんですよ。
- UJ
- そんな背景があったのですね。ところで松本監督と脚本の丸尾みほさんに見られるように、スタッフは若手とベテランがミックスされていますね。何か狙いはあったのでしょうか?
- 浅間陽介
プロデュ
ーサー - はい。東映アニメーションには、『マジンガーZ』を作っていたような数十年のキャリアを持つ方が社内に普通にいたりするんです。そうした他の会社にはめったにない環境がせっかくあることだし、若手が成長していくには、上と下の交流があったほうがいいという考えがありました。監督に松本さん、キャラクターデザインに林さんという座組みでスタートし、その次はベテランの丸尾さんに入ってもらって……というかたちでスタッフを固めていきました。世代間の考えがミックスされ、ひとつにまとまったら面白いのではないかと思ったんです。
- 松本
- 話していると意見が合わないときもありますが、それでも「いいものを作りたい」というスタッフに恵まれていたので、本音で自分をさらけ出すと、「意気込みだけは買ってやるか」、「やる気のある人とやれるのは嬉しいから」と最終的には理解してくれて。
- UJ
- ぶつかり稽古みたいな感じですね(笑)。松本監督は前作の『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』を25歳のときに作ったそうですが、若くして年長の方に意見を言うというのもなかなか難しいと思うのですが……。
- 浅間プロ
デューサー - 環境とか運とかありますが、いずれにしてもクリエイターは結果です。「私はこのスタイルでやりたいんだ!」という、松本さんの強い気持ちを私は評価しました。玉虫色の作品を作ることも出来ますが、原作を打ち破るくらいのパワーというか、そういう意思の強さ、体力がないとオリジナル作品は難しいですから。
アニメ監督、演出家。2006年、TVアニメ『ふたりはプリキュア Splash Star』で演出助手を務めた後、2007年、映画『Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』で助監督、2010年、映画『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』で監督デビューを果たす。
©東映アニメーション/京騒戯画プロジェクト
























