ウルトラコラム
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    新海誠監督最新作 映画『君の名は。』
    2016年8月26日(金)より全国東宝系にて公開!

    公式HP http://www.kiminona.com/

    【STORY】
    千年ぶりとなる彗星の来訪を1か月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・宮水三葉(みやみずみつは)は、ある日、自分が東京に住む男の子になる夢を見る。一方、東京で暮らす男子高校生・立花瀧(たちばなたき)も、行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっている奇妙な夢を見る。繰り返される不思議な夢。明らかに抜け落ちている、記憶と時間。やがて2人は自分たちが入れ替わっていることに気付くが……。
    今月は最新作となる映画『君の名は。』の新海誠監督にインタビュー!
    企画経緯や、本作に込めた思いをはじめ
    制作環境の違いがもたらした表現手法の変化についてもお聞きしました!

    UJ
    本作ではどんなテーマを描きたかったのですか?
    新海
    本作を作る直前に、通信教育のZ会のCM「クロスロード」を作ったんですが、このCMで描いたことの連続感みたいなものがあります。見ず知らずの大学進学を目指す少年と少女が、お互い知らない場所に住んでいて、この先出会うかもしれない存在である——そんな2人が出会った瞬間までを描いたのですが、この状況は思春期そのものなんじゃないかと思ったんです。受験もまた思春期と同じで、自分の可能性を信じて、一生懸命どこかに手を伸ばしているものです。自分にとって大事な人が、もしかすると知らない町にいるかもしれない。思春期にいる人に、未知のものに憧れることを、強く、肯定的に伝える作品にしたい。それが本作のテーマめいたことですね。
     テーマの決定後は、夢のなかで好きな人と出会ったという小野小町の和歌「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」や、男の子と女の子を入れ替えて育てたという平安時代末期の『とりかへばや物語』などから着想を得て、男女が夢の中で入れ替わる話を軸に、2人が出会うドラマを、誰もが楽しめるエンターテインメントとして組み立てていきました。
    UJ
    本作を作るにあたって、制作環境に変化はありましたか?
    新海
    東宝と企画の頭から一緒に作っていったことが違います。前作『言の葉の庭』でも東宝に配給してもらったんですが、その時の経験がすごく良くて。配給する側の人たちが、作品を、自分たちのことを本当に好きでいてくれるのは、こんなにも心強く、安心して作品が任せられるものなのかと感じ、「次の作品も一緒にやらせてもらえないかな」という気持ちだったんですね。東宝も同じ気持ちでいてくれたということで、今回は企画書の段階から参加いただき、脚本会議ではみんなでホンを読んで意見交換して、脚本を仕上げていきました。
     音楽を担当する、RADWIMPSとの出会いがあったことが、もうひとつの変化です。彼らの音楽には僕の作品に近い部分を感じていて、テイストが合ったこともあると思うんですけど、彼らの曲によって作品の色が少し変わってきたことがあります。脚本を読んでもらってそのイメージで書いた曲をベースに、絵コンテを描いていけたこともあり、映像のリズムの中に曲の疾走感みたいなものが生まれ、作品のある部分の時間軸を支配しています。
     作画では、「クロスロード」でもご一緒した田中将賀さんの、とにかくかわいくてカッコいいキャラクターで、わかりやすいキャラクターアニメーションをやろうという気持ちでした。ただ田中さんは多忙のため、キャラクターデザインはできても作画監督はできないということで、じゃあ誰に、となったときに、僕がポロッと(『千と千尋の神隠し』などスタジオジブリ作品の作画監督を数多く務めた)安藤雅司さんが好きなんです、と言ったら、人づてで安藤さんに打診することができて。田中さんのキャラクターを、安藤さんが職人気質で料理したことで、映像的にはうまく組み合わさって素晴らしいものになりました。
    UJ
    制作環境の変化が、作品により良い方向へ反映されていったのですね。
    新海
    脚本を書いている時には、川村元気プロデューサーから「観客の理解が少しだけ追いつけないようなテンポで、描いたほうがいいんじゃないか」というアドバイスをもらいました。僕は今までいかに観客に誤解されずにわかってもらうかというところを考えていたんですけど、それじゃ飽きちゃうよと。観客の理解を追いこすようなスピードを持たせる一方で、追いつくポイントも作り……と、映画の時間の流れについて、いろんな示唆をもらったことは新鮮な経験でした。
     原画では、安藤さんの名のもとに今まで出会ったことがないタイプのアニメーターが数多く参加しています。なかでも監督作に映画『ももへの手紙』などがある沖浦啓之さんが描いた、主人公が走って転んで……必死な姿のクライマックスシーンは、こんな絵は見たことがない! というすさまじいもの。絵コンテでも脚本でも作画でも、いくつもそういった瞬間がありました。

    しんかいまこと/2002年、個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。監督作品に映画『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』『言の葉の庭』がある。次世代の監督として国内外で高い評価と支持を得ている。

    ©2016「君の名は。」製作委員会

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