
時は紀元前3世紀。
ローマを慄然(りつぜん)とさせた怪物・ハンニバルと、彼と渡り合った若き才能・スキピオの戦いを描く歴史巨編、
『アド・アストラ-スキピオとハンニバル-』を好評連載中のカガノミハチ先生。
本作でデビューした先生はウルトラ漫画賞出身作家でもあります。
初のコミックス発売に際して、作品に込めた想いについて語っていただきました!
- UJ
- 初の連載がローマとカルタゴの戦い/スキピオとハンニバルについての歴史巨編という、壮大なテーマとなりましたが、なぜこの題材を選んだのですか。
- カガノ
- ウルトラ漫画賞を受賞後、まともなネームが描けず悶々としていた頃、担当編集さんから「歴史物で短期連載を想定して考えてみないか」という話をもらって、リストアップしたものの一つがこれでした。それがトントン拍子に連載まで進展した感じです。 恥ずかしながらハンニバルについて知ったのは、題材探しで古い学習図鑑を見た時なんです。知識ゼロからのスタートだったので、決まったものの内心はアワワワ……という気持ちでした。
- UJ
- 『アド・アストラ』というタイトルには、どんな意味があるのですか。
- カガノ
- per aspera ad astra(困難を克服して栄光を獲得する)という、ローマの哲学者・セネカの言葉からつけました。この話にぴったりですし、普遍的ないい言葉です。ちなみにこの言葉は、スピリチュアル・ベガーズというバンドのアルバムで知りました。
- UJ
- 読者に「ここに注目してほしい!」というポイントは?
- カガノ
- このカルタゴとローマとの"ポエニ戦争"は、現代の日本や世界情勢に色々通じるところがあって、興味深かったです。漫画を読む傍ら、そういうところに思いを巡らすと面白いと思います。
- UJ
- 世界観を構築するために、参考にされた資料などを教えてください。
- カガノ
- ポリュビオス著『歴史』、塩野七生著『ローマ人の物語』…その他色々です。また、『Rome:Total War』というゲームは映像的に参考になった上、かなりの面白ゲームでした。
- UJ
- 先生ならではの切り口を生み出すために、考えていることはありますか。
- カガノ
- 天才や英雄が身近にいたら、人は何を感じるだろうかと考えています。畏怖、憧憬、嫉妬、威光を笠に着る者もいるかもしれません。ハンニバルやスキピオは、そういった人々にどう接するのだろうと想像したりしています。
- UJ
- お気に入りのキャラクターと、その理由について教えてください。
- カガノ
- スキピオとハンニバルの英雄2人もカッコ良いですが、独裁官のファビウスという人も地味にカッコ良いです。罵られながらも自分の戦術を信じ続け、ハンニバルを追い詰めた、この戦争の立役者のような人物です。
- UJ
- ハンニバルやスキピオの新たな一面を描き出すことはあるのでしょうか。
- カガノ
- 基本的には史実をなぞることになりそうです。ハンニバルやスキピオを軍事カリスマらしく、英雄的に描けたらと思っています。
- UJ
- これからの展開については?
- カガノ
- ずっとハンニバルのターンで、ローマがこてんぱんにやられます。そのどん底から、ローマ・スキピオの反撃がどう始まるのか……ご期待ください。
漫画家。第3回ウルトラ漫画賞佳作『デズリーランド』、第5回ウルトラ漫画賞準入選『てぃんさぐぬ花』を発表した後、本誌2011年4月号『アド・アストラ-スキピオとハンニバル-』でデビュー。
























