ウルトラコラム
戻る

    ウルトラジャンプが注目する若手アニメーション監督・石田祐康。2013年秋に劇場公開された石田監督の最新作、映画『陽なたのアオシグレ』が好評を博し、拡大公開されたのを記念して、本誌インタビューの拡大版をお届けします! 自主制作時代の『フミコの告白』、『rain town』で数々の賞を受賞し、次世代のアニメ監督の中でも特に活躍が期待される石田監督に、青春時代の思い出や本作の制作秘話などを伺いました!


    内気で妄想がちな主人公のヒナタと、同じクラスの人気者の女の子・シグレ。ヒナタは大好きなシグレの転校をきっかけに、自分の思いをシグレに伝えようと全力疾走する!


    UJ
    プロとなって、劇場版第一作を新進のアニメスタジオ・スタジオコロリドで作ることになったのは?
    石田
    京都精華大学を卒業後、いろんな道がある中で、卒業制作の『rain town』でその時点でアニメでやりたいことはそれなりにやれたしと、研究生として大学に残っていた時期があったんです。たまに絵を描いたり映画を見たりとか、自分の引き出しを増やすためにいろんなことをしていました。
    そんな折、アニメ監督で京都精華大学の先生でもある杉井ギザブロー先生に、「ふらふらしてるなら映画制作を手伝わない?」って誘われたので、早速4年間住み慣れたアパートを片付けて上京しました。それが学生時代からの決別というか、プロの世界に飛び込む境界になりました。その杉井先生の仕事が終わりかけの頃に、現在所属しているスタジオコロリドから「オリジナル作品を作ってみませんか」と誘われたんです。

    ヒロインのシグレは、大学時代に描いた「Inter
    College Animation Festival 2011」のメインビ
    ジュアルですでに登場していた。


    UJ
    どんな話を作ろうと思いましたか。
    石田
    大学時代に描いていた、子供たちが遊びまわるような一枚絵がありまして。その絵の中にヒロインのシグレも出てくるんですけど、その頃から子供たちを主役に据えた、楽しげな作品が作りたいなってところから始まりました。企画段階の時は、子供の友情なのか恋愛なのかとか、子供ながらに三角関係があったりとか、いろんな構想がありました。が、最初の方に考えていた、シンプルで爽やかなお話に原点回帰した、みたいな形になりましたね。
    UJ
    作品を見させていただきましたが、過去のアニメのお約束や、面白い要素が端々に詰まっていて、18分に圧縮されたアニメの歴史を見るようでした。
    石田
    作るのもですけど、アニメを見るのも好きで。やっぱり憧れの意味も込めて、僕自身も好きな作品の良いところを、無意識に圧縮する感じというのは多分あります。
    幼少期はジブリ作品や、『ドラえもん』の劇場版だったり、『トムとジェリー』もやたら見てました。中学生になってからは、大友克洋さんとか押井守さんとか今敏さんの作品を。高校生になってアニメを作ろうと思ってからは、大学時代も含め、国内外のインディペンデントな、ネット上で自主制作で発表している作品なども相当数見ました。
    UJ
    監督にとってアニメの楽しいところは、どんなところですか?
    石田
    映像と音があるっていうことが何よりも重要で、その2つでもって作れる、時間軸を伴ったエンターテインメントであるのが好きなんです。なかでも時間軸があるということが、かなり自分にとっては重要なことで。世界観にしろ音楽にしろ、こちらが意図してどういうテンポ感で物語るかによって、お客さんの物語への導入のさせ方をいろいろコントロールすることができる。そこにアニメっていうのは、いろんなものを試して戦う――そういう部分に手ごたえを感じられるんです。
    UJ
    初めての監督というこれまでとは違う立場となりましたが、苦労された点は?
    石田
    人との付き合いですね。技術的な面は作業を積み重ねていくことで頑張れるんですけど、1つの場面を描いていくうえでの時間の使い方や、人との時間の合わせ方とかで苦労しました。ただそれがあってこその、1人ではできない作品作りであることも感じていました。キャラクターデザインを担当した新井陽次郎君はじめ、同期のスタッフもいろんな面で信用してくれたし。作画、背景、技術……みんながいてこそ、1つの作品ができあがるものだって。
    UJ
    ただ、最後は石田監督が決めていかないといけないですよね。
    石田
    そうですね。結局、監督って決めることが一番の仕事なんだなって。
    UJ
    細かいニュアンスを伝えるのに、コミュニケーションで苦労したりしましたか?
    石田
    コミュニケーションで苦労したというよりは、作画、背景、CG、撮影と、自分が多くの分野にわたって作業をしたので、スタッフへの指示にどう時間を割いて、自分の作業する時間をどう確保するかっていうことが難しかったですね。みんなが選択や決定を僕に求めて「指示をお願いします」と来るものですから、手一杯になっちゃって。次からはもうちょっと作り方は考えなきゃなっていう、反省はできました。
    UJ
    そうした厳しいスケジュールの中でも、特にコンテでコマごとの時間を割っていくのは、特段楽しかったりするものですか?
    石田
    そうですね。特に日常芝居自体もそうなんですけど、やっぱりアクションシーンは……やってて面白いですよね。もうちょっとキャリアを積んで歳をとっていくと、会話劇とか日常芝居の方が面白いっていう風になるかもしれないですけど、今は動くアクションが楽しいですね。純粋に。

    ©studio colorido

    石田祐康

    アニメ監督
    いしだひろやす/アニメスタジオ「スタジオコロリド」所属。京都精華大学3年の時にネット上で発表した『フミコの告白』で第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞し、2011年の卒業制作『rain town』で第15回同祭の新人賞を受賞。「ジブリ以後」の新進監督として期待される。

    『陽なたのアオシグレ』公式サイト
    http://www.shashinkan-aoshigure.com/aoshigure/

      PICUP!
      今月発売のコミックス
      UJD試し読み UJD試し読み
      web連載 ウルトラジャンプ連載作品第1回
      ウルトラコラム 過去コラム一覧
      特設サイト ウルトラジャンプツイッター 荒木飛呂彦公式サイト JOJO-D TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』公式サイト JoJonium ローゼンメイデン SoundHorizon SoundHorizon KADOKAWA マガジンエッジ 少年シリウス Romanスペシャルサイト 特設サイト一覧 M.A.G